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Ⅳ、富山大学総合診療部と南砺市立医療機関及び南砺市医療局の連携

最終更新日:2010年7月23日(金曜日) 19時42分

 地域包括医療・ケアを実践していた当院と家庭医・総合医養成のフィールドを求めていた富山大学総合診療部が連携する事は必然であり良い相乗効果が実現しました。

 1、南砺市民病院への医師派遣での連携:平成19年7月に南砺市民病院へ富山大学総合診療部より1名の後期研修医が派遣され、連携構築が開始されました。現在、後期研修医の家庭医・総合医研修と共に初期研修医や医学生の指導に携わり、プライマリ・ケア教育や家庭医・総合医研修体制整備にも努力しています。

 2、南砺家庭・地域医療センターを拠点とする家庭医・総合医育成:平成20年2月、南砺市立福野病院の診療所化にあたり、家庭医・総合医育成機能構築のため「南砺家庭・地域医療センター(以後センター)」の名称とし、富山大学総合診療部山城教授とともに後期研修医が訪問診療を行うなどの体制が整備されました(資料58)。平成22年度より認可された日本プライマリ・ケア連合学会家庭医専門医認定コースの「NANTO家庭医養成プログラム」(資料59-1)(資料59-2)に沿ってセンターで6月から1名の研修が開始され、12月より研修責任者を常勤化し、指導体制の強化を予定しています。

 3、南砺市の地域医療を守り育てる活動への発展:山城教授と南砺市医療局や当院などが協力し、南砺市の地域医療を守る活動が行われています。

1)在宅医療推進セミナー:医療専門職と住民への啓発活動「在宅医療推進セミナー」を平成19年12月より開始し、第3回までセンターで行い、第4回井波地域、第5回白川村、第6回利賀村(資料60-1)(資料60-2)で開催しました。平成21年8月第7回城端地域のセミナーで富山大学小林俊哉教授より地域再生システムの成功事例が紹介され、人材育成や守る会などに結びつく活動が南砺市でも開始されました。

2)南砺市地域医療再生マイスター養成講座:南砺市医療局と山城教授の協力で「南砺市地域医療再生マイスター養成講座」が平成21年10月から隔週で5回開催されました(資料61-1)(資料61-2)。医療、福祉関係者や市連合婦人会員などが参加し、有限な医療資源を有効利用し、地域住民参加型の地域医療システム構築と人材育成を目標に在宅介護、終末期医療、医師不足などについて自らの課題や市全体の取り組みを構築しました。活動は毎年継続し、今年度も9月開催が決定されています。

3)南砺の地域医療を守り育てる会:マイスター養成講座で具体的な取り組みが提案され、その実現と人材育成の継続ため、「南砺の地域医療を守り育てる会」が平成22年2月5日に発足しました。1)南砺市家庭医・総合医育成システムの確立、2)五箇山、山間部の医療の応援、3)認知症の人と家族が安心して暮らせる地域作りを目指す会の3つの企画が開始されています。4月24日第2回目として講演や活動報告などが行われ(資料68-1)(資料68-2)、この会を中山間地の地域医療文化を創造するモデル的活動と考え、当院も可能な限り協力してゆきます。


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