V、南砺市医療行政と南砺市立2病院4診療所の連携
最終更新日:2010年7月23日(金曜日) 19時42分
平成16年11月4町4村が合併し南砺市が誕生しました。発足時、市立3病院(公立南砺中央病院は岐阜県との組合立)と4診療所があり、全て医師、看護師不足で収支は赤字でした。合併前に医療行政の課題や在り方を検討せず先送りしたため、その後の対応に苦慮し現在まで解決に至っていません。
1、南砺市医療局創設:平成18年度、公立南砺中央病院が市立病院に変更になった時点で南砺市医療局が創設されました。平成19年3月に井口診療所を休止、平成20年2月に福野病院を診療所(センター)とし、2病院、4診療所体制となりました。これらは医師不足による必然的な整理であり、今後医療局を中心に南砺市の医療供給体制のあり方を検討し、その実現に向けて努力を行う事が必要です。
2、市立医療機関の電子カルテシステム構築:医療局は市立病院・診療所での情報共有を目的に、電子カルテシステムを平成19年度、南砺市民病院とセンターで、平成20年度、残りの3診療所(利賀・平・上平診療所)でも統一しました。平成21年4月、公立南砺中央病院も電子カルテの更新時期に合わせ同一の電子カルテが導入され、変更となった病院の医師、看護師などに負担がかかり、病院や医師会などで問題視されました。電子カルテ統一化で患者情報が瞬時に確認でき、医療提供体制として画期的な改革ですが、電子カルテ・医療ネットワークを活用し安心して暮らせる地域づくりに継げることが今後の課題です(資料62)。
3、南砺市公的病院改革プラン策定:病院改革プランは平成22年3月に策定されました。広大な中山間地に位置し同規模の同様な機能の病院が必要と判断し、2病院が各々に努力し平成23年度末に中間評価し整理統合やネットワーク化など今後の方針を決定する内容です(別紙資料)。財政的余裕がなく、医師・看護師供給も不十分な状況では、2次医療圏の高次病院(市立砺波総合病院)や地元医師会との連携を基盤に救急医療や在宅医療を整備しつつ、地域包括医療・ケアを実践できる病院に医師、看護師や医療機器などの資源を集中させ、診療レベルの向上と在院日数の短縮に努め、多くの疾患や障害を有する患者様を多数受け入れることが可能な市立病院作りを目指すべきです。改革プラン作成は南砺市の医療供給体制整備の好機と考えるべきです。