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学生実習

最終更新日:2020年8月26日(水曜日) 17時25分

 医学科、看護学科、薬学科、リハビリテーション科などの学生の教育に携わり、よりよい医療職の育成に貢献していきます。
 他職種との連携を重要視し、学生のときからその連携に関わることで、多職種間のコミュニケーションの重要性を学べるよう実習プログラムを工夫しています。また、当院で地域医療の担い手になっていただけるよう、その魅力を紹介し、意欲のある人材を確保できるよう活動しています。 

【医学生の実習について】
学年富山大学金沢大学金沢医科大学
4~5年次:診療科別ローテション地域医療臨床実習コア・ローテーション 内科臨床実習
5~6年次:月単位の選択実習選択制臨床実習 クリニカルクラークシップ

 


〇富山大学医学部地域医療実習(4~5年次)
 「地域医療とは何か」を学ぶための実習と捉えています。当院を利用されている患者さんが抱える医療的な問題を把握し、各々の事情に応じて個別的な対応ができるよう多職種で連携する姿や、当地域に広く存在する問題点を解決するための対策や研究などを見たり、聞いたり、触れたりすることにより、地域医療のあり方を学んでいただきます。患者様の病気よりも、医療者の行動や姿勢を見ていただくことを優先した実習内容になっています。月曜日から金曜日までの5日間を当院で過ごしていただきながら、大学病院にない医療を可能な限りたくさん体験していただけるようプログラムを作成していますので、地域医療の醍醐味を十二分に味わえることと思います(図1)。また、実習期間中を居心地よく過ごしていただくために、実習生の皆様の福利厚生も担当しています。


図1. 地域医療実習の週間スケジュールの一例
5日間で当院の医療を可能な限りたくさん体験していただけるようプログラムを構成し、地域医療とは何かを学んでいただけるよう工夫しています。



〇金沢大学医学類コア・ローテーション実習(4~5年次)
 血液内科・呼吸器内科実習を担当しています。同じ診療科でも、大学病院と市中病院では、患者さんの疾病構造や年齢層などは大きく異なり、市中病院ではいわゆるcommon diseaseが大半を占めます。しかし、診療の基本となるコミュニケーションスキル、診察法、検査医学、診断学は共通するものであり、どちらで実習をしても変わるものではありません。治療に関しては、大学病院ほど多様な対応は困難ですが、当院ではcommon diseaseの診断から初期治療方針を学ぶことによって、将来必要となるような診療技術を十分に学ぶことができます。



○富山大学医学部選択制臨床実習(5~6年次)
 南砺市民病院周辺の地域医療に必要とされている「総合診療医」とはどういうものか理解していただくために、総合診療科実習を用意しています。家庭医・総合医を目指す初期研修医や専攻医、家庭医専門医が指導医として対応いたします。指導医が行っている外来、救急、病棟、訪問の各診療を体験していただくとともに、予防医療(健診)や福祉、地域リハビリテーションなどの広い領域を学びます。実習期間中には、看護師、薬剤師、リハビリテーション療法士、社会福祉士などのさまざまな部署で学ぶ機会もあり、各職種のことをよく理解することで、将来多職種で連携する際の基礎知識やコミュニケーションスキルを学べます(写真1)。また、この実習は、当院における初期研修医の模擬体験となるように構成しており、実際に初期研修医がどのような研修を受けているかを間近で見ることができます。当センターは、実習プログラムの作成、運用とともに、実習生の皆様の福利厚生も担当しています。




写真1.臨床実習の様子が新聞で紹介されました(2014年4月16日付)



○金沢大学医学類クリニカルクラークシップ(6年次)
 富山大学と同様に、6年次の病院実習を行っています。診療科目としては、内科、腹部・一般外科、総診・地域医療の各分野です。総診・地域医療は、富山大学の総合診療科実習と同様です。内科は、臓器別診療科間に垣根のない診療を行っていますので、自分が担当したい領域を自由に組み合わせて実習することも可能です(たとえば、呼吸器+消化器、血液+循環器、など)。また、内科でも総合診療科と同様の実習を受けることも可能です。当院での実習を開始されましたら、個別に実習内容を調整し、必要とされる知識と技術が十分得られるようにオーダーメイドな対応をしています。



【実習生からのコメント】
 「実習中は、①他職種業務体験、②医師の診療見学、を主にさせていただきました。
他職種(リハビリ、看護、MSW、栄養士、歯科衛生士)の業務体験から、疾患の診断・治療といった医師の仕事は医療の中の一部にすぎないこと、そして全職種が連携して初めて患者さんにとって有益な医療ができるのだと感じました。
 医師の診療見学では、急性期の病態に対し診断・治療を行うところから、退院後の外来・訪問診療によるフォローまで見ることができました。症状から診断に向かう臨床推論の考え方、退院後の生活までを見据えた慢性疾患・服薬の管理や社会サービスの調整のやり方など、大学の実習や教科書では学ぶことのできない多くの事を学ばせていただきました。
 総合診療や地域医療に興味のある方はもちろんですが、他の診療科を考えている人にとっても、当院での実習は実りあるものになると思います。高齢化が進み、多彩な問題を抱えた患者さんが増え、急性期の病態の治療だけでは不十分な場面が増える中で、どのような診療が望ましいのか、興味のある方はぜひ当院へ実習に来てください。お待ちしています。」

吉野裕貴(金沢大学医学類6年;現在当院の初期臨床研修1年目)





写真2.当院での実習期間中、現センター長の指導のもと学会発表デビューを果たしました!(医学生研修医の日本内科学会ことはじめ2019、名古屋)



 そのほかにも、金沢医科大学、自治医科大学からもカリキュラムの一貫として当院で実習される学生がおられます(表1)。富山大学の地域医療実習(図1)をベースに、実習期間、実習の目的、学生の希望等に応じてプログラムを個別に設定しています。



表1.これまで当院で行った医学生実習の件数(年度別・大学別)



○病院説明会へのブース出展
 富山県臨床研修病院合同説明会、レジナビフェア金沢などの病院説明会に随時出展し、当院での初期臨床研修について紹介しています。出席の際には、是非お気軽に当院のブースにお立ち寄りください。


写真3.レジナビフェア金沢2020(2020年2月16日)



○病院見学について
 個別見学は、病院平日業務のある日はいつでも可能です(休日も相談により可能な日があります)。決まった見学日程は設定しておらず、希望する内容をお聞きしてから見学プログラムを組みますので、数時間単位から数日、数週間の単位までいくらでも可能です。随時受け付けていますので、まずはお気軽にお問い合わせください(問い合せ先へのリンク)。

○スキルアップセミナーの開催について
 南砺市民病院では、定期的に有名講師を招いた研修会を「スキルアップセミナー」として開催し、院外の学生、研修医に多数参加していただいています。