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医師臨床研修にかける思い

最終更新日:2014年11月7日(金曜日) 10時44分

医師臨床研修にかける思い

南砺市民病院前院長 南 眞司

 南砺市民病院は175床の市立総合病院で、「医療・保健・福祉活動を通じて市民の健康で豊かな生活に貢献します」の病院理念を掲げ、地域に必要とされる急性期医療だけでなく、保健や福祉・介護と連携し、生涯にわたり安心して生活できる地域作りを目指す「地域包括医療・ケア」に取り組んでいます。
 当院における研修は、高齢化・過疎化が進む中山間地で今後一層進む高齢社会の日本に必要な「治し、支える医療」を行い、家庭医や総合医など全人的医療を目指す医師の育成に最適の環境と考えています。研修体制は研修医と共に現在の到達目標設定やその育成プログラム及びロールモデルなどを構築しており、研修責任者として富山県立中央病院の研修責任者であった室林医師を迎えました。
 今後も、富山大学総合診療部山城教授や室林医師及び当院の研修指導医師などと共に研修体制や指導内容の充実に努めます。社会が必要としている家庭医・総合医を目指す意欲のある研修医に参加してもらえることを期待しています。

1、初期研修
平成21年度初めて初期研修医2名がマッチングし、研修を開始しました。年間入院患者数約2400名で救急患者も多く、1年間を経過し初期研修の目的である「プライマリ・ケア」を習得する環境は十分整備できています。多疾患を持つ高齢者が多く、1次・2次救急に対応する必要がありますが、十数人の医師が垣根なく相談にのり、また指導を行うので、このような環境は彼らの能力を十分引き上げています。

2、後期研修;家庭医・総合医専門医
平成22年度、当院を中心に家庭医専門医の後期研修プログラム「NANTO家庭医養成プログラム」が日本プライマリ・ケア連合学会で承認されました。平成22年度山城教授が研修責任者として開始し、当院からは3名の医師が参加しました。高齢社会に必要な家庭医・総合医の育成は「地域包括医療・ケア」を実践している当院や南砺市で行う事が最適と考えています。特に市内に4箇所ある市立診療所の研修や当院の総合内科研修など良い環境が整っています。

3、リフレッシュ研修
基礎医学系や施設等に長く勤務された医師で、家庭医や総合医で再出発したい方に、
知識、技術や態度を研修(リフレッシュ)することを目的にしています。対象者は開業や診療所、中小病院の総合内科勤務などを目指すことを条件とします。研修期間は1年以内としています。