内視鏡手術について
最終更新日:2016年7月28日(木曜日) 10時21分
キズが小さく、回復が早い
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従来よりお腹の病気に対しては、「開腹手術」といって、お腹を大きく開き、目的とする臓器を切除したりその他の処置をする手術が行われてきました。
しかし、患者さんにとっては、全身麻酔であるからと言ってもお腹に大きなキズがつくのは出来るなら避けたいものです。我々外科医も常に、より小さなキズで、しかも安全に確実な手術を行いたいと考えてきました。
1987年、フランスの産婦人科医であるフィリップムーレはそれまで主にお腹の中の検査のために使われていた腹腔鏡をつかって世界で初めて胆嚢摘出術を行いました。小さなキズの手術の始まりです。その後、この腹腔鏡手術は日本にもたらされ(1990年)、以後急速に普及してきました。現在では当院でもあらゆる消化器(胃、小腸、大腸、虫垂、胆嚢など)手術に応用しております。
最近の報道などにより危ないイメージを持たれる方もおられるようですが、きわめて安全なものです。
腹腔鏡手術の特徴
○キズが小さい
従来の開腹手術では20cm程度のきずでしたが腹腔鏡手術では5-10mm程度の小さなキズが数か所(胆嚢摘出3か所、大腸切除4,5か所、胃切除6か所)で、目立ちません。
○正確で細かい手術が可能
きれいな画像で拡大視効果があるため、より精細な手術が可能です。
○回復が早い
腸管の動きが早く戻るため、翌日から水分、2日目からは食事が開始になります。
○退院が早い
従来術後2-3週間で退院となっていましたが、腹腔鏡手術では術後1週間程度で退院可能です。
○痛みが少ない
術後の痛みがかなり楽で、翌日には歩行できます。
○合併症が少ない
従来の手術ではキズが化膿することがありましたが、かなりその頻度は少なくなりました。
△時間がかかる
通常の開腹手術の1.5~2倍くらいかかります。
△適応が限られる
小さな道具を使うため、非常に大きな腫瘍や、進行度の高い癌の場合、適応外となり開腹手術になることがあります。
注意、以前にお腹の手術をしている方、全身麻酔のかけられないご病気をお持ちの方などは腹腔鏡手術の適応でない場合があります。当院で手術をお受けになる患者様は、その患者様の全身状態、年齢、既往症などにより、もっとも良いと思われる手術方法を提案させて頂いておりますので、お気軽に御相談下さい。