代表的疾患の解説
最終更新日:2014年7月2日(水曜日) 20時03分
■白内障
白内障とは、目の中のレンズにあたる水晶体が一部混濁し、視力が低下する病気です。症状は、ものが霞む、まぶしい、二重三重に見える、眼鏡が急に合わなくなった、など色々あります。残念ながら白内障を治す薬はなく、治すには手術しかありません。しかし、近年の術式の進歩により、局所麻酔で短時間かつ安全に手術ができるようになりました。当科では、患者さんに安心して手術を受けていただくために、1泊2日の短期入院で手術を行っています。
■緑内障
緑内障とは、視神経に障害が起こり、徐々に視野(見える範囲)が狭くなっていく病気です。病気の初期では自覚症状がなく、徐々に進行し病気の発見が遅れることが多い病気の一つです。原因としては、眼圧(目の硬さ)が高いため視神経の神経線維が死んでしまい、その分視野が狭くなります。一度欠けてしまった視野は二度と戻ることはありません。
治療は眼圧を下げる目薬を毎日欠かさず点眼することが中心です。目薬でも眼圧が下がらない場合は手術加療が必要になることもあります。
進行すると失明に至ることもありますので、早期発見・早期治療が重要な病気の一つです。
■翼状片
翼状片とは、結膜(白目)の下にある線維芽細胞が増殖し、角膜(黒目)に入り込んでくる病気です。鏡で見て、黒目の鼻側から白いものが入り込んでいるのがわかります。あまり大きくなると、乱視や視力低下の原因になるため、手術での切除が必要になります。
■ドライアイ
ドライアイ(乾き目)とは涙が量的・質的異常をきたし目の保護する作用が低下した状態です。症状は多彩で、かすみ・視力低下や、違和感・かゆみ・痛みなどが代表的なものです。
治療は人工涙液の点眼が主になります。それでも状態が改善しない場合は涙点(涙が流れていく入口)にプラグをして目の表面の涙液量を増やす処置が必要になることもあります。
■糖尿病網膜症
糖尿病の三大合併症の一つです。糖尿病を患うと全身の血管とともに網膜の血管も障害されます。糖尿病網膜症は糖尿病患者の30~40%に発症し、そのうち2~5%は失明にまで至る病気です。症状はあまり出ないことが多く、視力が下がってきたと感じられる頃には重症の糖尿病網膜症に進行している可能性があります。そのため糖尿病と診断された方は、自覚症状がなくても眼科の定期通院が必要です。
治療は、必要と判断された時点で網膜光凝固術(レーザーで網膜を焼く治療)を施行し、視力低下を予防します。重症の場合は入院して手術が必要な場合もあります。しかし、失明を予防するためには糖尿病網膜症を発症しないよう、血糖の管理をしっかり行うことが最も重要です。
■加齢黄斑変性症
目をカメラに例えるとフィルムの役割をしている網膜という神経の膜の下から悪い血管がのびてきて、出血や進出物がたまり視力障害をきたす病気です。
視力低下の程度により治療は異なりますが、最近では特殊な薬を眼に注射することによりある程度視力を維持することが可能になりました。当院でも最新の機器を備え治療に対応していますが、場合によっては視力回復が難しい病気の一つです。