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代表的疾患の解説

最終更新日:2010年7月13日(火曜日) 10時45分

■骨粗しょう症
 骨粗しょう症とは、体内のカルシウムが不足して骨の隙間ができ、もろく折れやすくなる病気です。50代女性の10人に1人、60代の3人に1人、70代の2人に1人は骨粗しょう症と言われています。まず一度、骨密度を測定してみてください。
 予防には、普段から適度な運動をすることを心掛けてください。なぜなら、骨は使わないともろくなるスピードが早まるからです。ちなみに訓練した宇宙飛行士でさえも、一カ月間、無重力空間の中にいると、骨量が30%も落ちることが分かっています。できれば、一日三十分以上、ウォーキングや全身を使う軽い体操を継続すると効果が上がります。
 このほか、カルシウムの多い牛乳やヨーグルト、小魚、小松菜などの食品を摂ったり、皮下脂肪にある物質(プレビタミン)を日光浴で骨の形成を促進するビタミンDに変化させることも、骨粗鬆症予防に効果を発揮します。



■腰部脊柱管狭窄症
 下肢や膀胱や肛門を支配する神経(馬尾神経と呼ばれます)は腰の背骨の中の脊柱管と呼ばれる管の中を走っています.この脊柱管が様々な原因により狭くなって坐骨神経痛や間歇性跛行を発生する病気を腰部脊柱管狭窄症といいます。
 治療としては、まず保存療法(安静、内服加療、リハビリテーション、硬膜外ブロック注射、神経根ブロック注射など)を行います。保存療法で加療しても症状が強くて日常生活に支障をきたす場合は手術療法が必要になります。(神経を圧迫している骨を削ります。)一般的に手術以外の治療で症状が軽くなることがほとんどですが、手術してもすべての症状が改善するとは限らない場合もあります。

■腰椎椎間板ヘルニア
 腰部椎間板ヘルニアは椎間板の中心にある髄核という組織がそれを囲む線維輪を破って後方に脱出し神経を圧迫することにより腰痛および下肢痛を生じる疾患です。椎間板の加齢的変化に椎間板内圧が高まる動作が加わり生じるもので、 20~40歳代の活動性の高い男性に多く発症します。

■変形性股関節症
 変形性股関節症は、関節軟骨の変性や摩耗に始まり、様々な関節変化が進行する病気です。軟骨の変性・摩耗は、人種、性別、加齢、肥満および遺伝などの素因下に、労働や運動、外傷などの力学的負荷が加わり発生します。さらに軟骨細胞の代謝障害が起き、軟骨の破壊が進行するとともに、滑膜炎が起きて関節に水がたまったり、骨破壊も進みます。

■変形性膝関節症
 変形性膝関節症は、関節軟骨が摩耗し関節が変形して痛みを生じる病気です。原因は老化、靭帯・半月板の損傷などがあります。その悪化要因として、加齢、性別(女性)、肥満、膝内反( O脚)が知られています。肥満を解消すると、進行が予防されます。症状としては、歩行開始時や階段昇降時に、膝の内側に痛みが生じ、ひどいときには、安静時にも痛みがあります。
 治療は、次のようなものがあります。保温、大腿四頭筋訓練、消炎鎮痛剤の飲み薬や外用剤(湿布、塗り薬)、関節内注射(ステロイド剤:関節の炎症を抑える目的、ヒアルロン酸:軟骨を保護する目的)、杖、サポーター、膝装具、足底板装具などがあります。症状が強い場合や変形が高度な場合は、手術(高位脛骨骨切り術、人工膝関節置換術など)が行われます。

■関節リウマチ
 関節リウマチ (RA) は,多発性関節炎と進行性関節破壊を主症状とし,肺・腎臓などにも病巣が拡大する全身性炎症性疾患です。世界中で約1%の罹病率と言われ,日本でも 60 ~ 70 万人の患者さんが関節リウマチで苦しんでいます。
 関節リウマチの治療は基礎的治療 ( 患者教育 ) ,薬物療法,手術療法,リハビリテーションの 4 本柱 からなります。