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院長挨拶

南砺市民病院は「確かで温かい医療」を目指して、職員一同、日々努力をしています。

昨年度は、新型コロナ感染症の感染蔓延化に伴って、診療体制、健診・ドックや内視鏡検査などの検査体制が変動し、皆さんにはご迷惑をおかけしたことと思います。この4月から5月にかけて病院職員のワクチン接種が終了し、高齢者のワクチン接種が始まりましたが、これで感染が完全に抑えられるわけではありませんし、いろいろな変異株問題も出てきています。今後も、気を引き締めながら皆さんに安全な医療を提供していきます。

昨年4月に運用を開始したドクターカーは、この5月25日まで506回出動し、現場にて救急医療活動を行いました。当初予想していたより多くの出動がなされ、ドクターヘリとの連携も円滑に行われており、地域救急医療における新しい役割を確立しつつあると感じています。今年度は、今までの活動を検証し、問題点の抽出と解決、将来の地域医療を見据えたより有効なドクターカーの活用方法を検討していきたいと考えています。

さて、病院が提供する医療にとって大切なのは、医療安全と医療の質であります。安全に医療を提供するということは簡単なようで実は緻密なシステムを必要とします。当院では、4年前より国際基準に沿った厳しい医療安全基準を達成するように努力を重ねています。まだまだやるべきことは多々ありますが、地道に前進していきたいと考えています。一方、質の高い医療にはいろいろな要素がありますが、その中に「患者中心の医療」があります。これは、皆さんの意向をできるだけ尊重して医療方針を決定し、皆さんにとって何が最善かを皆さんとともに考えて実践していく医療です。当院が6年前から力を入れてきた「臨床倫理」がそれにあたります。今まで、病院の中を中心に臨床倫理活動を行ってきましたが、今後は在宅療養者や施設入所者の方々の問題についても関係者が正しい(倫理的な)方法で考えていけるよう勉強会を開催していきたいと考えています。臨床倫理の成果は目にはみえないかもしれませんが、元来、大切なものは目には見えないものです(星の王子様)。

この活動の延長線上に、終末期医療の倫理があります。最近、話題になることが多い「人生会議」は、最期までその人らしく生きるための対話です。皆さんに、その大切さに気付いていただこうと、南砺市の漫画家、森みちこさんと漫画を作成し4月に出版しました。また、これとは別にドラマの作成も行っています。いずれも、皆さんに向けた重要なメッセージが込められたものですので、是非、ご覧になってください。

最後になりましたが、まだまだ新型コロナウイルスの感染は収まらないと予想されます。感染予防対策をしっかりと行っていただきながら、二度と来ないこの1年を有意義に過ごしていただきたいと思っています。


清水 幸裕