令和6年能登半島地震による被災地支援活動に参加して
最終更新日:2024年2月8日(木曜日) 10時22分
看護師 栄前田美穂子
富山県医師会JMAT第2隊の一員として、令和6年1月16日から19日まで穴水総合病院を拠点とし支援活動を行いました。
JMATは、医師1名・薬剤師1名・看護師2名・事務調整員1名で構成され、被災者の災害関連死予防を使命とし活動、そして、災害の超急性期に緊急医療を提供するDMATとも連携し活動します。穴水総合病院のJMAT本部からの指令された避難所を訪問、避難者に声掛けを行い血圧測定や体調確認をおこない、必要に応じて医師の診察や薬の処方にて重症化の予防に努めました。また、避難所の生活環境を確認し、感染症発生予防、排せつ環境の調整や転倒予防のための段差の解消対策等、二次健康被害予防活動を行いました。そして、安静による血栓症発生予防の体操指導や低体温予防の生活指導を行い、住民の皆さんが熱心にメモを取られる姿が印象的でした。
穴水地域は、水道、通信、道路等のインフラがまだ未整備であり、住宅の倒壊や山の崖崩れも目立ち、避難所生活を余儀なくされていました。震災発生後約2週間経過した時期ですが、入浴はおろか着替えさえ出来ていない状況です。そのなかで、住民の皆さんは気丈に振舞い、昼間は倒壊した自宅の片づけに精を出しておられました。時々、先の見えない不安を口にされる方もおられ、心のケアの難しさを痛感しました。未整備な環境のなか看護師として更に支援出来ることは何かと常に考えながら行動し、皆さんの「ありがとう」の言葉に逆に励まされることもありました。
今回、他病院の方々とのチーム編成でしたが、よいメンバーに恵まれ現地で連携し活動することが出来ました。今後も災害看護について学習を深め精進していきたいと思います。そして、被災地の一日も早い復興をお祈り致します。
*JMAT:日本医師会災害医療チーム 役割:被災者の生命及び健康を守り、被災地の公衆衛生を回復し、地域医療の再生を支援する